【勝訴判決】広告会社の行為を詐欺行為と認定した判決を獲得しました(確定)

他の訴訟業務等に追われて、約1年半ぶりの投稿となります。
何度が経緯を記載していたN社からの求人広告料請求訴訟ですが、10月末に勝訴判決が出て、先週確定しました。請求棄却の理由は、広告会社の行為を詐欺、詐欺の故意もあったと認定し、詐欺取消による請求棄却です(那覇簡易裁判所 令和2年(ハ第1487号←移送後の番号です)。

残念ながら、こちら側からの慰謝料の反訴請求については、法人に「慰謝」の概念がないとの形式的理由で棄却されましたが、本訴において、端的に広告会社の行為を詐欺行為と認定したことは、類似事件にとっても大きいと思います。

また、裁判では相手の詐欺行為を立証するために、①各報道、弁護士会の会長声明、の証拠提出②弁護士のMLで提供を受けた、同社の請求に対する各地の弁護士からの支払拒絶の内容証明、移送申立等訴訟書面の証拠提出、③沖縄で同社のサイトに広告を載せている会社の過半数(約20社)に調査嘱託などを主として行い(本件ブログで従前より指摘していた手法)、その上で④被害法人の代表者の尋問も行い、自動更新の説明を受けていないことの証言をしました。それぞれの過程で、全国の弁護士、および地元の沖縄弁護士会の弁護士からの多大な協力を得ました。

判決では、①だけで、N社の勧誘時期には報道などが相当されていたから問題商法と知らなかったはずはないということで、故意などを認定しており、その上で④の証言内容(自動更新説明は全くなかった)を全て認めて、詐欺取消を認めました。今後類似事件で争うときにも参考になると思います。

ただ、実際は全国の各弁護士からの同社に対する支払拒絶書証の存在と、沖縄県内で調査嘱託された全社が、自動更新の説明を受けていない、または更新前に確認すると言いながら確認無く更新した、という調査回答をしたことが非常に大きかったように思います。

他方で、N者側の代理人は、提出する書面も契約書通りだ、内容は理解できたはずだ、とする内容を繰り返すだけの、薄い書面を出すだけでした。その他、実際に勧誘を担当した職員も明らかにせず、具体的なその陳述書もださず、結局自分たちからは証人なども何も出しませんでした。それどころか、東京から沖縄まで尋問のためにやってきて、被害者代表者への反対尋問は4分30秒ほど(計ってました)。こちらの主尋問の際に、携帯をかなりいじっているなど酷い訴訟態度でした(指摘すると、訴訟スケジュール調整のためだから、問題ないと逆ギレしてました。別に次回日程をこのとき裁判所が調整していたわけでもなく、尋問の最中にやる事では全くないのですが)。別の無料求人広告会社の時にも代理して全国に強い口調の督促状を送っていた代理人なのですが、訴訟活動はこんな内容だけで、肩すかしの感じです。ただ、その態度は品位がなく、こちら側には非常に不快でした。

今回の勝訴判決は、各地の弁護士が地道に積み重ねてきた活動と、その提供頂いた情報・資料(書面)のおかげです。この場を借りて、再度お礼申し上げると共に、本件のような事案で悩まれている被害者の方に、その地域の弁護士への相談をされることを再度お勧めいたします。必ず費用に見合った成果が得られると思っています。各地域の弁護士が、全国の弁護士と連携して、こうした悪質商法からその地域の方々を守っていく、そういうことに広く繋がってくきっかけになればと思います。

判決文については、MLに参加されている弁護士で連絡をいただいた方にはすでに配布を開始しておりますし、今後は専門誌や判例データベースなどに提供して、広く活用できるようにする予定です。(ただ、業者側のなりすましもありますので、一般的に配布することまでは考えていませんので、ご了承ください)


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